PMセミナー
第1回SP-A5 仮想プロジェクトで学ぶマネジメント実践力
セミナーのねらい
昨今、海外プラント建設プロジェクトはこれまでになく大型化し、その分利害関係者も多くなり複雑化しています。他方、発電、水、鉄道、環境、交通などインフラプロジェクトの引き合い案件も多く、日本企業の進出も期待されています。これらの分野ではプロジェクトの規模は大小様々で、中小規模プロジェクトは大規模プロジェクトよりも案件数は多いものの、必要とされる業務所掌が同じである分、むしろその運営はより難しいといえるでしょう。
本セミナーは受注額の目安として50億円前後、比較的中小規模の海外プロジェクト遂行に必要とされるマネジメント力の習得を目的としています。 具体的には、国内で小規模のタービンの製造、販売、輸出を生業としている企業が、海外パートナーとコンソーシアムを組成し、海外EPCプロジェクトにチャレンジするというストーリーを設定し、受講者の皆様には、この仮想プロジェクトにおける責任者の立場として、プロジェクト遂行計画の策定と課題解決の検討に取り組んでいただくカリキュラム構成としました。
今回対象とする規模のプロジェクトでは、大規模プロジェクトと比較して設計・調達・工事自体の複雑さはそれほどではないものの、標準的なプロジェクト組織を設け、各々担当者をアサインすることはコスト上難しく、プロジェクトマネジャーや各マネジャーが一人で複数の役割を担うことになります。そのため、アサインされたメンバーはプロジェクト全体を幅広く見通した上でのコントロール力や決断力が必要となってきます。本セミナーでは受注から工事完了まで、実際のプロジェクトの流れに沿ってカリキュラムを進めていきますので、実践的にプロジェクトの全体感とそれぞれのフェーズの繋がりを学ぶことができます。
また、実際のプロジェクトにおいては、さまざまな要因が絡み合い対応策が一つとは限らないため、本セミナーでは一つだけの最適解を引き出すことを求めません。課題に対して各自が考え、その後グループ内やグループ間での議論をすること自体が最も重要な学びであると位置づけ、企業や立場の異なる他の受講者や講師から、さまざまな考え方や戦略を比較しながら各自の選択肢に加えることが可能となります。
セミナーの特徴および運営
本セミナーは、「インドネシアにおけるバイオマス発電所建設プロジェクト」という仮想のプロジェクトを題材として様々なケーススタディを実施し、特にグループワークによる実習に主眼をおいています。そのため、カリキュラムもグループワーク主体の内容にしています。
具体的には、次の4つの実習を本セミナーの柱としています。
(1)プロジェクト遂行基本計画の策定
(2)プロジェクトスケジュールの確認・検討
(3)実行予算の策定
(4)フィールド・アドミニストレーション業務の確認・検討
それぞれの実習においては、仮想プロジェクトの前提条件の中で与えられた課題に対して、グループで討論し結論の取りまとめ作業を行い、プロジェクトマネジャーとして、社内のマネジメント層や客先への報告、説明、説得をするという設定に基づき、グループ毎に発表をしていただきます。これにより受講者が今後、実際のプロジェクトメンバーにアサインされた際に直面する課題解決に対する戦略、すなわちアイデアの引き出しを増やすことをめざします。
参加対象-特にこの様な方々に参加をお勧めします
*プロジェクトマネジャーをめざす若手・中堅社員
*プロジェクト関係部門の若手・中堅社員
*国内プロジェクトは経験しており、今後海外プロジェクトにアサインされそうな方
開催日時 | 2019年11月21日(木) 09:30 ~ 2019年11月22日(金) 17:30 |
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開催場所 | 一般財団法人エンジニアリング協会 会議室 〒105-0001 東京都港区虎ノ門3-18-19 (虎ノ門マリンビル10階) TEL:03-5405-7201 FAX:03-5405-8201 |
定員 | 定員になりましたので締め切りました。 |
受講料(消費税込) | 一般価格:65,000円(消費税込) 会員価格:43,000円 (消費税込) 申込受付後請求書を郵送しますので、原則セミナー開催前にお振込みください。 お振り込みいただいた受講料はご返金できませんので、申し込まれた方が出席できなくなった場合は代理の方がご出席ください。 |
申込締切日 | 2019年11月14日(木) |
お問い合わせ先 | 一般財団法人エンジニアリング協会 産学人材開発部 TEL:03-5405-7201 FAX:03-5405-8201 担当:塩田、東海林、伊藤 |
開催案内:SP-A5 PAMPHLET2019
プログラム
第1日目
9:30 | 集合 |
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9:30~10:15 (45分) |
【開講】 ・オリエンテーション ・プロジェクトライフサイクル ~概説~ |
10:15~11:15 (1時間) |
【実習に向けての準備】 ・仮想プロジェクト(バイオマス発電所建設PJ)の概要説明 (受注背景、契約条件、プロジェクト遂行体制、設備概要等) ・グループ編成 ・グループ内での自己紹介 |
11:15~16:00 (3時間45分※) ※昼休み1時間は除く |
【実習①】・・・プロジェクト計画 ・プロジェクト遂行基本計画書概説(作成の目的と意義) ・プロジェクト遂行基本計画策定(グループワーク) ・グループ発表とグループ間ディスカッション ※12:30~13:30を目処に昼休み休憩 |
16:00~17:30 (1時間30分) |
【2日目に向けての準備】 ・プロジェクトスケジュールの説明(前提条件の確認) ・材料/工事BQの説明(前提条件の確認) ・説明内容に対する質疑応答 |
※1日目、2日目とも、カリキュラムの進行状況を踏まえ、昼休み以外に5~10分程度の休憩時間をとる予定。
第2日目
9:30 | 集合 |
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9:30~12:00 (2時間30分) |
【実習②】・・・スケジュール ・課題の提示・内容説明 ・プロジェクトスケジュールに対する課題検討(グループワーク) ・グループ発表とグループ間ディスカッション |
12:00~15:30 (2時間30分※) ※昼休み1時間は除く |
【実習③】・・・コスト ・課題の提示・内容説明 ・実行予算の策定(グループワーク) ・グループ発表とグループ間ディスカッション ※12:30~13:30を目処に昼休み休憩 |
15:30~17:15 (1時間45分) |
【実習④】・・・アドミ ・海外フィールドアドミ重要業務の抽出(グループワーク) ・グループ発表とグループ間ディスカッション |
17:15~17:30 (15分) |
【まとめ】 全体総括、質疑応答 |
§ 使用する教材
◆ENAAバイオマス発電プロジェクト(EBP-PJ)概要書、
◆ビジネス相関図
◆コンソーシアム組織図
◆プロジェクト所掌分担表
◆EBP-Master schedule
◆EBP Project schedule、工程説明資料、
◆General plot plan(General plot、Main area layout、Side view)
◆Process flow diagram、Equipment list
◆主要BQリスト
◆概略コストブレーク表
◆各種費用積算資料
◆フィールドアドミストレーション業務一覧 他
小栗 常義(PMフレームワーク 代表)
(経 歴)
1972年、日本揮発油(現日揮)株式会社入社。
入社後、同社国際事業本部に在籍し、海外プロジェクトのプロジェクトエンジニアとして
プロジェクト遂行業務に従事。この間、カタール/インドネシア/クウェート/米国などで
建設現場駐在を経験。その後、エンジニアリング本部/情報技術部長。
日揮情報システムに出向し、同社取締役を歴任。
米国プロジェクトマネジメント学会(PMI)の年次世界大会で、通算5回に亘り技術論文を
発表。1988年より、米国PMI正会員。
中央大学理工学部非常勤講師、平成30年度エンジニアリング功労者賞を受賞。