表8-5-1 高温材料の設計・開発に関する研究成果のまとめ
種別 材料・構造 平成5年度の抽出課題 平成8年度の研究成果
耐熱合金 FRC/単結晶
超合金ハイ
ブリッド翼
  • 多孔質FRC・単結晶超合金のH2O/H2雰囲気中の腐食挙動の解明
  • FRC用高強度・高耐熱性繊維の開発
  • 薄肉・中空織物/FRCの製造技術
  • 高強度単結晶超合金の開発
  • 大型・複雑冷却翼の製造技術
  • 前年度開発した単結晶合金に対し最適な溶体化熱処理を選定した結果、強度特性等において既存の超合金と同等以上であることを確認
  • FRCではSiCの有機ハイブリッド織物、小穴ピン成形用織物等を試作し、冷却媒体の通路となる小孔の孔径分布や強度特性を確認
ODS合金
+TBC
  • 翼/結合層/コーティング材料の設計・開発・選定
  • TBC技術
  • 冷却翼/微細冷却穴等加工技術
  • 基材上に施す遮熱コーティング部にトランスピレーション冷却モデルを考案し、コーティングはYSZ、アルミナおよびイットリアの3種を候補材料として選定・成形・加工を実施
  • ODS合金とセラミックス遮熱コーティングの間のボンド層材料候補として、耐環境性からCoCrAlYを選定
金属間
化合物
MoSi2
  • 超高温H2O/H2雰囲気下での特性評価
  • 高強度・高延性化
  • 実部材への適用性検討/製造技術の確立
  • 添加元素(Re, W, Al)について配合組成を決定し、ホットプレス条件の最適化により、ほぼ完全な合金化が可能となり、高温強度評価試験を実施した結果、W>Al>Reで高温強度に効果があることを確認
  • 本材料は1700℃までの超高温条件への適用可能性が得られず、平成8年度をもって開発研究を終了
セラミック系
複合材料
SiC長繊維
/SiC
  • 繊維・母材の耐熱性向上と繊維・母材界面の耐熱性・耐環境性の向上
  • 耐食コーティング技術の開発・材料選定、コーティング設計(傾斜組織)、コーティングプロセス、界面の熱応力解析
  • 耐熱性・耐環境性改善のため、高緻密化したSiCマトリックスおよびBNコーティングを採用し、長時間の安定性を確認
  • Al2O3、ZrO2およびY2O3の耐食コーティングの酸化試験を実施し、Al2O3の質量増加が最も少なかったことを確認
多重構造
セラミック
  • 高強度・高靱性芯部材料、高耐熱・高断熱中間材料、高耐食表面材料(傾斜組織等)の開発
  • 中間部、芯部への自己診断機能の付与
  • BN界面材をベースにCMC(芯部材料)を試作し、室温曲げ強度、破壊靱性値を計測した結果、昨年度までの開発材と比較して強度特性が大きく改善されたことを確認
  • 表面部材料(Al2O3)について、単結晶試験片を用いて1600℃における高温水蒸気環境下腐食試験を行った結果、重量変化等は認められず高温水蒸気環境下において化学的に安定であることを確認
炭素系
複合材料
C/C
複合材料
  • 最適設計技術およぎ比強度等の特性向上
  • 異方性を加味した解析技術
  • 耐酸化コーティングの開発
  • 繊維配向を変えてC/C・CMCの3次元織繊維強化複合材料を試作し、それぞれ2000℃/1200℃の超高温での曲げ強度に関するデータを取得
  • CMC試験片の熱衝撃試験を行い、耐熱衝撃性の向上を確認。また、熱応力分布の解析的評価を行い、強度と発生応力の相関性を確認
表8-5-2 超高温材料の試験・評価に関する研究成果のまとめ
評価特性 平成5年度の抽出課題 平成8年度の研究成果
力学特性
  • 多孔質FRC・単結晶超合金のH2O/H2雰囲気中の腐食挙動の解明
  • 引張試験における温度測定法の確立
  • クリープ試験における歪測定法の確立
  • 超高温複合環境下における破壊挙動解明のための試験・解析技術の確立
  • レーザー顕微鏡による試験片表面のその場観察技術の検討を行い、高温(大気中・真空中)での観察が可能
化学特性
  • 超高温水蒸気/水素雰囲気試験設備の開発
  • 高温水蒸気雰囲気酸化試験を現有設備を用いて実施し、焼結SiCにおいては1600℃、40%水蒸気雰囲気で極めて優れた高温化学特性を示すことを確認
物理特性
  • 熱物性測定用設備の改良
  • 材質評価のための高温X線回折における材料加熱方法の確立
  • 熱拡散率/放射率において、輻射熱の影響を受けない温度測定方法等を確認

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