平成15年度は、鉱山保安を含む労働安全の分野で先鞭を切って新しい手法を導入した英国、また、その他の鉱山保安規制の合理化を目指し法令改正等を進めている豪州等の先進国における鉱山保安に関する行政側の監査手法や監査体制などの動向調査を行いました。
平成16年度は、国内の天然ガスパイプラインの維持管理に欧米型リスク評価手法適用の可能性について検討するため、国内外の適用法規・基準等や事業者が実施している維持管理状況、また、検査、評価技術や補修技術などについて調査し、これらの結果を基に、海外におけるリスク評価を考慮した維持管理手法とその取り組みの実例調査を行いました。また、鉱山におけるリスクマネジメント導入先進国である豪州の鉱務監督官を招聘し、関係者に対してリスクマネジメント制度導入時の留意事項などについて研修を行いました。
平成17年度は前年に引き続き、国内の天然ガスパイプラインの維持管理に欧米型リスク評価手法適用の可能性について詳細な検討を行い、適用上の課題等を抽出しました。また、鉱山におけるリスクマネジメント手法の普及・定着を図るためセミナー等を行ました。
国 |
規制当局 |
規制 |
ガスパイプラインの維持管理への適用 |
企業名 |
UK |
HSE |
Pipelines Safety Regulations |
多くは、定性的リスク評価、
一部、定量的リスク評価や、定量リスク評価と定性リスク評価を組み合わせ |
BP、Shell、Total、Conoco PhillipsBP(Forties PLS)、Innovene(Grangemouth 製油所/化学PL Shell(エチレンPL)Huntsman(エチレンPL)Transco |
Norway |
PSA |
Regulations relating to design and outfitting of facilities in petroleum activities (the facilitiesregulations) section 58 Regulations relating to conduct of activities in petroleum activities (activity joint regulation) section 47 |
定性的リスク評価 |
Gassco |
Germany |
EnWG 連邦鉱業法 |
GasHL-VO(High-Pressure Gas pipelineRegulation) |
リスク評価的手法は用いられていない。 |
E.ON Ruhr Gas AG、他3社 |
USA |
OPS |
Federal pipeline safety regulationsPart 192 - Natural gas |
定性的リスク評価ASME B31.8 Sを適用
一部、半定量的評価手法 |
Shell、PG EDuke Energy |
Canada |
NEB |
Onshore pipelineregulations 1999 |
定量リスク評価と定性リスク評価を組み合わせて計画された検査とメンテナンス |
TransCanada |