第175号/2004.4

研究企画委員会報告

センター運営会議報告

平成16年度地下センター事業計画の概要

委員会活動報告

平成15年度日帰り見学会報告

会員の皆様へのお知らせ
 


■研究企画委員会報告■


平成15年度の第3回研究企画委員会が3月15日(月)10時より、当協会6階会議室において開催されました。大関常務理事の協会挨拶、大林委員長挨拶、来賓の経済産業省経済産業政策局産業施設課 山田哲也殿の挨拶の後、大林委員長の司会により議事が進められました。議題と議事内容の概要は以下の通りです。

議題1:第2回研究企画委員会議事録の確認
 一部の文言の訂正があり、前回議事録は確認されました。

議題2:平成15年度事業活動報告および審議
 平成15年度の事業概要並びに社会開発システム及び社会開発プロジェクトの調査研究、特別調査研究テーマ補助事業、国・政府関係機関・地方公共団体からの受託事業5件及び開発プロジェクト1件、地下利用推進部会諸活動、地下情報化部会活動、研究企画ワーキング活動について、その内容と成果の報告が行われ承認されました。併せて平成16年度以降の地下利用推進部会活動の体制について審議が行われました。

議題3:平成16年度事業計画及び予算
平成16年度の事業計画(案)、収支予算書(案)をもとに、地下センターの事業計画及び予算について説明が行われました。大関所長より、『平成16年度は社会開発プロジェクト2件(継続)、特別調査研究テーマでは2件(継続1件および新規1件)が実施できることとなる。今後さらにニーズに即した提案を進めて行きたい。又、平成16年度の国・政府関係機関・地方公共団体等からの助成及び受託事業では、前年度からの「高効率熱電変換システムの開発」が3年度目を迎え中間評価に向けて大事な一年となる。「大深度地下利用のための技術開発に関する調査研究」も2年目を迎えることとなった。又、これからの新しい分野について会員企業の協力をお願いしたい』との話がありました。
地下センターの事業計画及び予算案はいずれも承認されました。

議題4:その他
@今年の9月に地下センターは15周年を迎えるが、記念のやり方のアイデアをいただきたい。
A次回委員会は6月中旬開催。


(会議風景)            
        



■センター運営会議報告■
     

平成15年度の第3回センター運営会議が3月18日(木)10時より、当協会6階会議室において開催されました。大関常務の協会挨拶、永広委員長挨拶、経済産業省経済産業政策局産業施設課鈴木課長補佐の来賓挨拶の後、永広委員長の司会により議事が進められました。当日の会議では、研究企画委員会での審議結果に基づき、次の議題について審議及び報告がなされ、いずれも承認・了承されました。

議題1:第2回運営会議議事録の確認
議題2:事業活動報告および審議
議題2:平成16年度事業計画及び予算について
議題3:その他質疑




 


■平成16年度地下センター事業計画の概要■


T.地下空間の開発利用に係る研究開発等の推進
1.新たな地下利用の形態やニーズおよび地下空間利用におけるシステム開発及び普及の調査分析と関連技術動向の把握。

2.社会開発プロジェクト等の計画策定(地下空間の開発利用)について継続2テーマの実施。
(1)地中式都市型エネルギー拠点施設のフィージビリティスタディ―電力貯蔵技術の調査研究
 (2)DMEの低温貯蔵供給システムに関する調査研究

3.産業施設のLCCO2に関する調査研究(継続)の実施。

4.低質排熱を利用する高効率冷熱変換システムの研究(新規)の実施。


U.国、政府関係機関、地方公共団体等からの助成事業および受託事業の実施
1.以下のテーマを含み、前年度からの助成及び受託の実施に努める。
 (1)高効率熱電変換システムの開発
(2)大深度地下利用のための技術開発に関する調査研究

2.その他、国、政府機関、自治体からの研究開発及びフィージビリティスタディ等の受託に努める。


V.調査・資料情報の収集
1.地下空間の開発利用に関する内外の動向についての調査及び資料情報の収集。

2.地下情報化部会活動により継続的情報データベースの整備と発信。


W.地下空間の開発利用に関する広報事業等
 1.センターニュースの発行
 2.機関誌の発行
 3.センターホームページの充実と更新
 4.講演会等の開催
 5.成果発表会の開催
 6.エンジニアリングシンポジウムの開催
 (2、5、6は財団本部と共同)


X.その他の事業
 下記の事業を含む諸事業の実施。
1.国内見学会、2.日帰り見学会、3.エンジニアリング功労者の表彰(財団本部と共同)

     




■委員会活動報告■


□産業施設のLCCO2委員会講演会報告

2月27日、当委員会の委員長でもある産業技術総合研究所ライフサイクルアセスメント(LCA)研究センター稲葉敦センター長にお願いし、広く門戸を一般に開放し、航空会館において、『LCAから環境効率へーその活用と課題―』と題する講演会を開催いたしました。講演の概要は以下に示す通りです。
■ ライフサイクルアセスメントは、「ゆりかごから墓場まで」
考慮し評価するもので、「インベントリ分析+影響評価」し、より環境負荷の少ない生産方法を検討する手法■LCAみんなでやれば怖くない■LCAの歴史の紹介■企業でのLCAと環境効率の実施例(トヨタ、シャープ、NEC,リコー、松下等)■代表的な統合化手法(EPS,エコポイント、エコインディケータ95等)の紹介
■ LIME(Life-cycle Impact assessment Method
based on Endpoint Modeling)(菩提樹)の特徴の説明■環境効率への活用―製品が提供する機能から消費者が受け取る機能へ移行し、持続可能な生産とともに持続可能な消費を実現することが大事である。
講演会には当委員会外からの参加者を加えて21名の参加者があり、盛況でした。(白鳥 記)

 (講演会風景)    




■平成15年度日帰り見学会報告■

今年の日帰り見学会は、3月9日に総勢34名で、写真集"JAPAN UNDERGROUND"で有名な 写真家内山英明さんの写真集の中から横浜方面の施設3箇所を選定し、見学いたしました。好天気に恵まれて良い一日を過ごすことができました。

□旧海軍極秘地下施設(慶應大学日吉キャンパス内)
 半世紀以上前、慶應大学日吉キャンパス内に連合艦隊司令部など旧海軍の中枢部があったことを何人の方がご存知でしょうか。通称「日吉台地下壕」の規模は、慶應大学キャンパス内だけでも2.63kmの長さがあります!
日吉台地下壕保存の会の3人のメンバーの方(亀岡敦子さん、岩崎昭司さん、常盤義和さん)のガイドで、70年前の健全な建物!の大学予科第1校舎とチャペル、弥生式竪穴住居址、耐弾式竪穴坑、谷口吉郎設計の寄宿舎を見た後、通称マムシ谷のテニスコート脇の地下壕見学用の入口から中に入りました。
中は真っ暗でしたが、懐中電灯で照らしながら見学しました。突貫工事が昭和19年8月15日から始まったそうですが、60年経過してるとは思えないほどコンクリートの肌はしっかりしてました。
よく短工期で作ったなという思いと共に強制労働に駆り出された方々の悲しみも伝わってきました。
まさに慶應大学日吉キャンパスはワンダーランド!でした。なお、毎月第4土曜日13時より一般開放しています。(見学費500円、申込は喜田さん(045-562-0433)または亀岡さん(045-561-2758)まで)

 (地下壕)

□新羽雨水調整池(港北区新羽町)
 午後一番の見学先として、港北区新羽町の横浜市営地下鉄の車両基地内に建設中(4月竣工)の89,000m3の容量をもつ、市で最大級の雨水を貯める新羽調整池・滞水池築造工事現場を訪問しました。
まず日本下水道事業団東京支社神奈川工事事務所三谷副所長の施設概要説明を受けた後、フジタ・五洋・日産・奈良建設共同企業体石澤所長から連続地中壁工事、構真柱工事、躯体築造工事の説明を受けました。
深さ約75mの連続地中壁、直径1m強の鋼管構真柱、掘削深さ約50m、土木としては珍しい高流動コンクリートの使用の話が特に興味を引きました。
その後、工事中の現場を見学しました。調整池の最上部の開口から下を覗いた時、底がはるか下に見えて、その巨大さにびっくりさせられました。
 洪水の場合、施設全体が浸水してしまうので、地下鉄の車両が2階に停まっていたことも印象的でした。


 (工事概要説明)

□北部第二下水処理場(鶴見区末広町)
最後に、鶴見川河口の東側に位置しJR東海道線の東南側を処理区として水洗化の促進、浸水対策および公共水域の水質保全等を目的に昭和59年から稼動し、24時間休みなく動いている北部第二下水処理場を見学しました。
最初に会議室で、鈴木処理場長の施設概要説明および施設紹介ビデオを見た後、鈴木処理場長と笠谷処理係長の案内で、中央管理室を見て、特別の配慮により巨大なパイプ、ポンプ施設が並ぶ地下の管廊を通って(下の写真)地上に出て、最終沈殿池、反応タンク等を見学しました。
会議室に戻る途中で、明治14年に敷設された我国最初の日本人の設計による煉瓦造暗渠や100年以前の梯子胴木基礎の上に作られた煉瓦造卵型下水道(下の写真)の珍しい展示物も見せていただきました。
最後に、今回の見学会に対して、各方面からの多大なご協力をいただきました。その関係者の方に改めて感謝するとともに厚く御礼申し上げます。(白鳥 記)

   
     




■会員の皆様へのお知らせ■


○第265回サロン・ド・エナ開催のご案内 
日 時 :平成16年4月21日(水)17:30〜(於:当協会6階C,D,E会議室)
講 師 :兼清 賢介氏(財団法人日本エネルギー経済研究所 常務理事国際プロジェクト部長)
テーマ :「北からのエネルギー供給を目指す−シベリア原油パイプラインの実現にむけて−」

講演要旨:シベリアのエネルギー資源を開発し、北東アジア諸国に供給するという構想は、1990年代に入って具体的な様相をおびてきた。中でも、原油パイプライン計画については、中国大慶向けルートを想定した中露の協議が進んできたが、昨年1月の小泉首相の訪露をきっかけに、ロシア領内を通ってナホトカまでの幹線を敷設し、海上出荷をする案(太平洋ルート)が急浮上した。
本プロジェクトは、中国の石油輸入が急増するなか、北東アジアのエネルギー安全保障にとり重要な意味をもつことに加え、開発の遅れている東ロシアの経済発展の原動力にもなると考えられる。このように大きな社会経済的ベネフィットが期待される一方で、技術、経済性、埋蔵量や国際関係など多くの課題をクリアーする必要があると指摘されている。
今回は、マレーシアや中国などの海外において石油開発に携わり、アップストリームでの経験も豊富な兼清氏より、「シベリア横断原油パイプライン・プロジェクト」を中心に、サハリンなど東ロシアのエネルギー開発について、現況・課題・展望を探り、プロジェクト推進のための方策などを語っていただきます。(講演終了後懇親立食パーティ)         

   会 費:3000円(非会員5000円)(当日受付にて申し受けます)
   申込要領:FAXで事務局へお申し込み下さい。申込多数の場合は先着順で締め切らせていただきます。
        地下開発利用研究センター 事務局 中村 (TEL:03-3502-3671/FAX:03-3502-3265)
     * 地下センターのホームページ(http://www.enaa.or.jp/GEC/)の「お知らせ」の「催物案内」から直接
       申込みもできます。
     




舌句雑感:"ビッグイシューの販売員を見たことがありますか" ビッグイシューは1991年にホームレスの人々に仕事を提供する事業としてロンドンで始まったもので、販売員はまず10部を無料で受け取り、その売り上げ2000円を元手に1部90円で雑誌を仕入れるシステムで、つまり1部売れば110円儲かるわけで、なかなかうまく考えられている。■前々から買おうと思っていたが、帰りに買おうとすると販売員がどっかに行ってしまったりしてなかなか買えなかったが、やっと新橋の駅前で買うことができた。昨年9月に日本版が創刊されて、すでに第6号になっていた。「非暴力のちから」の特集他、広範囲の文化に触れていて、割と面白い。■皆さんも街で販売員を見かけたら気軽に買ってあげてください。ささやかな自立応援団または同志として。         (GECニュース編集者)